WHIPとは?意味や重要性を解説します!【野球】

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今回ご紹介する、WHIP(ウィップ)とは、

「1イニングで、どれだけのランナーを出したのか」

を表す、ピッチャー指標の1つ。

 

出したランナーの内訳としては、

 


 ・ピッチャーが、バッターに与えたフォアボールの数

 ・ピッチャーが、バッターに打たれたヒットの数

 

これらを足したものに対し、「投球イニング数」で割るというものです。

 

WHIPの意味や重要性など、詳しく解説していきます!

 

 

WHIP(ウィップ)とは?

 

あらためて、WHIP(ウィップ)とは、

「Walks plus hits per inning pitched」

の略語で、「1イニングで、どれだけのランナーを出したのか」を意味します。

 

算出の方法は、下記のとおり。

 

WHIP=「与えたフォアボールの数」+「打たれたヒットの数」÷「投球イニングの数」

 

WHIPの評価と重要性

 

まずは、下記の表をご覧ください。

 

WHIP 評価
1.00 素晴らしい
1.10 非常に良い
1.25 平均以上
1.32 平均
1.40 平均以下
1.50 悪い
1.60 非常に悪い

 

つまり、

WHIPの数値が「1.00」以下であれば、

 

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ピッチャーA

ボクの特徴は、3人でおさえる場面が多いことさ!

たまに、ランナーを出すかもしれないけどね。

 

というように、頼もしいことがわかりますよね。

 

WHIPの低いタイプとしては、各球団のエース級ピッチャー、クローザーなどがあげられますね。

 

たとえば、

 


 ・奪三振率の高いピッチャー

 ・つまり、球が速く、決め球がある

 ・コントロールの良いピッチャー

 ・つまり、フォアボールを出しにくい

 

など。

 

一方で、

WHIPの数値が「1.60~」であれば、

 

"no-img2″
ピッチャーB

オレは周りのピッチャーに比べて、ランナーを溜めやすい。

・・・ああ、ちくしょう、ヒット打たれちまった。

 

というような感じです。

 

WHIPが高いピッチャーの要因としては、

 


 ・ヒットゴロを打たれやすい

 ・フォアボールを与えやすい

 ・つまり、ノーコン or 慎重すぎ

 ・キャッチャーの配球(ボール先行)

 

上記のとおり。

 

・WHIPが低いピッチャー=安定感のあるピッチャー

 

・WHIPが高いピッチャー=安定感のないピッチャー

 

という意味では、重要性は高いのかなと思います。

 

 

WHIPの弱点について

 

ここまで読んでみて、「WHIPのことは、なんとなくわかったよ!」という方も多いでしょう。

 

しかし、WHIPには少し弱点があります。

おもな理由は3つほど。

 

長打が考慮されない

 

あらためて、WHIPは、

「打たれたヒットの数=出したランナーの数」としてカウントされますが、「ヒットの内訳」は考慮されません。

 

簡単にいうと、

WHIPでは、「ホームラン=単打・四球と同じ価値だよ!」ということ。

ツーベース、スリーベースも同様です。

 

つまり、

1イニングで、1本のホームランを打たれたとしても、残りのバッターを抑えれば「WHIP:1.00」ということになる。

 

よって、

「フォアボールを与える数は少ないが、長打は打たれやすい」

というようなタイプは、

WHIPが示す評価ほど、良いピッチャーとはいえないこともある。

 

味方の守備力

 

WHIPの数値は、味方の守備力にも関わってきます。

なお、「エラーが記録されない上での、味方の守備力」を指します。

(※WHIPは、エラーによって出したランナーはカウントしない。)

 

たとえば、

「内野ゴロを打たせて、アウトを奪う」

というようなタイプのピッチャーは、味方の守備力(範囲、肩)が問われます。

 

味方の守備がひどく、内野安打を許してしまえば、ピッチャーのWHIPは上がってしまいますからね。

 

デッドボール

 

WHIPでは、デッドボールの場合、出したランナーに含まれません。

「ピッチャーが許したランナーだから、おかしいんじゃないの?」

と思いますよね。

 

でも、デッドボールは一部、バッターの責任としても問われます。

たとえば、以下のような例があげられます。

 

強打者へのインコース攻め

 

強打者というのは、必然的にインコースを攻められます。

ピッチャーは、相手が良いバッターほど、よりインコースを使わなければなりません。

(パワーのあるバッターには、コースを散らして的をしぼらせないため)

 

なので、強打者の場合、デッドボールのリスクが高くなります。

強打者ゆえの宿命ですね。

 

バッターの打撃フォーム

 

打撃フォームを縮めることで、より内角球を避けることが難しくなります。

良い例が、ヤクルト・青木宣親ですね。

2018年はリーグ最多の19回、デッドボールをくらっています。

 

2018年・WHIPランキング(規定投球)

 

2018年、先発ピッチャーのWHIPランキングを見ていきたいと思います。

 

セ・リーグTOP8

 

菅野、大瀬良はWHIPでほぼ互角。

お互いコントロールが良いですし、決め球も豊富です。

2018年は、ルーキー・東克樹(11勝5敗:新人王)の活躍が目立ちましたね~

 

  選手名 WHIP
菅野 智之 1.00
大瀬良 大地 1.01
東 克樹 1.12
山口 俊 1.21
メッセンジャー 1.26
ジョンソン 1.28
ガルシア 1.29
ブキャナン 1.37

 

パ・リーグTOP9

 

楽天の岸孝之が、WHIP1.00を切っています。

なんといっても、抜群のコントロール、三振を奪う技術の高さでしょうね。

菊池雄星はメジャーでどれだけのWHIPを残せるか楽しみですね~

 

  選手名 WHIP
岸 孝之 0.98
西 菊池 雄星 1.03
上沢 直之 1.11
西 勇輝 1.22
則本 昂大 1.23
山岡 泰輔 1.27
西 多和田 真三郎 1.27
マルティネス 1.29
涌井 秀章 1.31

 

さいごに

 

WHIP、なかなかおもしろいですね。

あまり見聞きしない指標ですが、メジャーではわりと定番の指標らしいです。

スポナビの投手プロフィールなんかを見てみると、WHIPの数値が載ってますよ!